天理教は陽気ぐらしという世界のあり方を目指しています。
天理教が目指している陽気ぐらしとはどんな世界観なんでしょうか。
陽気ぐらしって何?
世界とは人。
陽気ぐらし世界を実現するためには、世界を変えるわけではなく「人の心のあり方」を変える必要があります。
陽気ぐらしをするために必要なポイントは、
それでは一つずつ見てみましょう。
身体やこの世のあらゆる物は神様から借りている
私たちが普段使っているこの身体は、神様から貸し与えられています。
人間側からすると借りている状態になります。
これを「かしもの・かりもの」という言葉で教えられています。
身体だけでなく、自分の親や兄弟、大自然などこの世に存在する万物はことごとく神様からのかりものです。
自分のものではなく、借りている命、生かされているということが分かると自ずと感謝の心が湧いてくるでしょう。
感謝の心が育まれると、見える世界に違いはなくとも自分の心に映る世界はまるで違ってくるはずです。
人間関係においても、何かを貸し借りすることがありますが、借りた人は貸してくれた人に対して感謝して使うことが大切なように、人間も自分の体を初めありとあらゆるものが貸し与えられていることに感謝することは、陽気ぐらしを目指す上でとても大切なポイントです。
心だけが自分のものとして使うことができる
神様から借りている身体とは対照的に、心は自分のものとして使うことが許されています。
身体には可動範囲があったり、病気や怪我、または老化など人間の力ではどうにもならない「制限」がかけられています。
ですが心は自由自在に動かすことができます。
自由に使うことができるからこそ、人は良い行いもできれば、逆によろしくない言動をしてしまうこともあります。
自由を与えられていることによって、発展することも、衰退することもすべて私たち人間の心一つにかかっています。
神様は私たち人間の主体性を望んでおられるということです。
「自分らしさ」という生き方、心の使い方を求めておられます。
誰かに強制されるのではなく、自分らしく世のため人のために生きる「心のあり方」こそが陽気ぐらしにおいて最も重要なポイントだと言えます。
身の回りに起こる全ては神様の慈愛
健康な身体を貸していただき、世のため人のために自分らしく心を働かせていても、人は様々な事情から自分らしい生き方を実践できなくなってしまいます。
天理教では「成ってくるのが天の理」という教えがあり、身の回りに起こる全てのことは神様が人間の「成長や発展」のために与えてくださる課題であるという意味です。
世の中で起こっている様々な事件から、家庭内のいざこざまでありとあらゆる出来事は、私たちの心をさらに成長させ、発展させるためのきっかけにすることができます。
避けることができない出来事を、前向きに捉えることで、昨日のより少しだけ成長した心に変えることができるでしょう。
陽気ぐらしな世界
かりものに感謝し、自分らしい心で世のため人のために働かせることで、世の中に起こる様々なことが前向きに捉えることができるようになります。
天理教の教祖は「ここはこの世のごくらくや」と教えられ、あの世や彼岸に幸せを求めるのではなく、いま自分が生きているこの世こそが極楽なのだと仰いました。
いまこの瞬間を幸せだと感じる心を育むことは、誰にとっても簡単なことではありません。
できないからこそ、人間関係に悩み、自ら命を断つことも考えるでしょう。
幸せだと考えること、幸せに生きることが難しいのは、様々な出来事や人間関係に心が疲れてしまい、幸せを感じにくくなってしまっているからかもしれません。
天理教の信仰は、そんな心を静かに見つめ直し、心の掃除に勤め、世のため人のために心を働かせるための気力を養うための信仰です。
いつか、世界中の人々がそんな素敵な心を育むことを目指して、天理教は今日も陽気ぐらし世界を目指して活動しています。
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