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【元の理】この世で一番最初の夫婦の物語

天理の教え

こんにちは、夫婦円満サポートをしている天理教百石分教会長の小向善幸です。

この世で一番最初の夫婦をご存知でしょうか?

世界には色々な神話があり、最初の夫婦が描かれていますよね。

例えば、

  • アダムとイヴ
  • イザナギとイザナミ

この辺りは誰でも一度は聞いたことがあると思います。

天理教にも神話に分類される(正確には神話ではない)「元の理(もとのり)」っていう物語があります。

今日はその話を紹介しながら、この世で一番最初の夫婦について学んでいきましょう!

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【元の理】この世で一番最初の夫婦の物語を紹介

まずは、百聞は一見に如かずということで、実際に物語を読んでみましょう。
一気に全文を紹介すると逆に読みづらいと思うので、いくつかのパートに区切って解説しみます。

全文を読んでみたいという方はこちらからどうぞ。

パート①|閃いた!人間造っちゃえば楽しそう!

この世の元初りは、どろ海であった。

月日親神は、この混沌たる様を味気なく思召し、人間を造り、その陽気ぐらしをするのを見て、ともに楽しもうと思いつかれた。

そこで、どろ海中を見澄されると、沢山のどぢよの中に、うを(魚)とみ(巳)とが混っている

夫婦の雛型にしようと、先ずこれを引き寄せ、その一すじ心なるを見澄ました上、最初に産みおろす子数の年限が経ったなら、宿し込みのいんねんある元のやしきに連れ帰り、神として拝をさせようと約束し、承知をさせて貰い受けられた。

天理教教典第三章 元の理より抜粋

ここのパートで重要なのは、

  • この世の初めの頃は混沌として面白くなかった!
  • そうだ、人間を作ろう!
  • 人間の陽気ぐらしするのをみて楽しみたい!
  • 泥海の中に沢山どぢょうがいる!
  • どぢょうの中に「うを(魚)」と「み(巳)」がいる!
  • 「うを」と「み」を夫婦のモデルにしよう!

天理教の教義的に重要な解釈は他にもありますが、ここでは割愛します。

つまり、前回の記事でも話しましたが、人間創造が行われる以前の世界は、二種類の微生物が自己増殖を繰り返すだけの、とってもつまらない世界だったわけですよね神様的に。

神様
神様

つまんないなー
そうだ、人間を作ろう!

「そうだ、京都へ行こう!」的なノリで人間を造ったのかどうかは分かりませんが、神様は人間創造を思いつかれたようです。

物語に登場する「どぢょう」は微生物のことだと思って良いと思います。
自己増殖することしかない「どぢょう」だけの世界だと思っていたのに、よくよく見てみたらなんかちょっと違うのがいたみたいなんす。

それが「うを」と「み」だったわけですね。

重要なポイントからは外していましたが、「一すじ心を見澄ました上」というフレーズがあります。
ここは教義的にも超重要なフレーズで、見た目がどぢょうと違ってただけじゃなく、心も違ってたっていうことなんですね。
一筋だったんですね。そこに神様は可能性を見出すわけです。神様センスありますよね。(上から目線)

神様
神様

「うを」さん「み」さん!
一番最初の夫婦に採用します!
やってくれます?
人間社会ができたら「神」として拝ませるんで、なんとかオナシャス!

実は何度か断られていたそうですが、なんとか承諾してもらったようで一安心ですね。

パート②|男と女を造ってみた

続いて、いぬいの方からしゃちを、たつみの方からかめを呼び寄せ、これ又、承知をさせて貰い受け、食べてその心味こころあじわいを試し、その性を見定めて、これ等を男一の道具おとこいちのどうぐ、及び、骨つっぱりの道具、又、女一の道具おんないちのどうぐ、及び、皮つなぎの道具とし、夫々それぞれをうをとみとに仕込み、男、女の雛型と定められた。

いざなぎのみこと いざなみのみこととは、この男雛型・種、女雛型・苗代の理に授けられた神名であり、月よみのみこと くにさづちのみこととは、夫々、この道具の理に授けられた神名である。

天理教教典第三章 元の理より抜粋

パート②でのポイントは、

  • 神様がシャチと亀を呼び寄せた
  • シャチを男一の道具、骨つっぱりの道具として
  • 「うを」に仕込んでモデル完成
  • 亀を女一の道具、皮つなぎの道具として
  • 「み」に仕込ん女のモデル完成
  • 夫婦のモデルが完成

ということになります。

ここでも、一応神様側から「やってくれる?」というやりとりがあったことが分かります。強制的にやらせていないなんて、神様どんだけ優しいんでしょう。

で、もう少しだけ整理しておくと、

  • 男のモデル=いざなぎのみこと
  • 女のモデル=いざなみのみこと
  • 男の機能=月よみのみこと
  • 女の機能=くにさづちのみこと

っていうことになりますね。
ここは確実にテストに出そうなややこしいところですね!

パート③|人間の基本構造完成!

中略
かくて、雛型と道具が定り、いよいよここに、人間を創造されることとなった。

そこで先ず、親神は、どろ海中のどぢよを皆食べて、その心根を味い、これを人間のたねとされた。

そして、月様は、いざなぎのみことの体内に、日様は、いざなみのみことの体内に入り込んで、人間創造の守護を教え、三日三夜の間に、九億九万九千九百九十九人の子数を、いざなみのみことの胎内に宿し込まれた。それから、いざなみのみことは、その場所に三年三月留り、やがて、七十五日かかつて、子数のすべてを産みおろされた。

天理教教典第三章 元の理より抜粋

パート③のポイントは、

  • いよいよ人間創造開始!
  • 神様がどぢょうを全部食べて、人間の種にした
  • 月様がいざなぎのみことの体内に入り込む
  • 日様がいざなみのみことの体内に入り込む
  • 直接人間創造の守護を教える

いよいよ、人間創造が始まりましたね!

どぢょうを食べて、それを人間の種にしたっていう衝撃的な事実はさらっと流しまして、次の部分ですね。

「月様は、いざなぎのみことの体内に、日様は、いざなみのみことの体内に入り込んで、人間創造の守護を教え」

この部分がとても重要なポイントです。

まずいきなり登場した「月様」と「日様」ですが、これはどちらも神様のことで、神様は男性女性どちらの性もあるわけですが、人間創造を教えるタイミングで二つに分かれているんですね。

つまり、

  • 月様=男性
  • 日様=女性

ていうことになります、なので月様はいざなぎのみことに、日様がいざなみのみことに入り込んでいるわけです。

さらに重要なポイントは、神様が直接人間を創造したというよりは、いざなぎといざなみに入り込んで教えたっていうことです。

つまり、託した訳です。
教えたから後は自分たちでいいようにやってね、っていう感じで、システムも環境も構築しといたからね!っていうことです。

これは一見、丸投げのようで乱暴な感じに見えるんですが、そこには人間の自主性を重んじる神様からの強い思いをむしろ感じます。

何から何まで全部やってあげることももちろん神様なら可能な訳だけど、それをあえてせずに、人間に任せるっていうのは中々できることじゃないですよね。

自主性を重んじるっていうことは、心に自由を与えるっていうことでもあります。

私たち人間の心が毎日コロコロと変わってしまうのは、心が自由に使えるからなんですね。

神様ってやっぱりセンスあります。スゴイっす。

まとめ

いかがだったでしょうか。

この世で一番最初の夫婦は、

  • いざなぎのみこと
  • いざなみのみこと

でしたね。

これは日本書紀に登場するイザナギやイザナミではありません。
当時(江戸末期〜明治初期)の信者さんにイメージしやすいように例えとして用いられたネーミングだそうです。

この物語を読む上で大切なのは、一番最初の夫婦から全ての人間が始まっているということです。この夫婦から沢山の子供が生まれ、その子供がどんどん進化を繰り返して段々と人間に成長していった、っていうことです。

そして、パート①の最後を思い出してみて下さい。

最初に産みおろす子数の年限が経ったなら、宿し込みのいんねんある元のやしきに連れ帰り、神として拝をさせようと約束し、承知をさせて貰い受けられた。

  • 子数の年限=約10億年
  • 元のやしき=奈良県天理市にある「ぢば」
  • いざなみのみことの魂の生まれ変わりである中山みきが教祖

という具合にきっちり神様は最初の約束を果たされています。

つまり、この世で一番最初の夫婦は、地球上のありとあらゆる生物の親であり、進化と発展のモデルをしてくれた存在なのです。
あまりにも壮大な話なので、中々ピンとこないかもしれませんが、私たち人類は紛れもなくきょうだいなんですね。

なんとなくでも共感していただけたら嬉しいです。

元の理の物語はこの後もまだ続くのですが、「夫婦」とういポイントに絞った記事なので今回はここで終わります。

このあと物語は、人間の進化について詳しく語られていますので、興味ある方はぜひ読んでみて下さいね。

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